PT・OTを対象とした研修システム 「研修療法士制度」のご案内 (3/3)

H23年度からR1年度までの研修生25名の修了後の進路です。  

研修生に了承を得て感想文を掲載しています。

新人理学療法士研修生 レジデント

   2017年度修了 

レジデントの特権としては、①各疾患の強化月間があること、②診療時間中も先輩療法士の見学に付く事ができること、③バイザーが付いていることだと考えます。
 疾患別に担当することでその領域について集中的に知識を深めることができ、自ずと診療可能な患者層が増えていったように思います。
 先輩療法士の診療見学では技術や知識だけでなく、診療への考え方や患者さんとの接し方などその場に居ないと分からない多くの事を吸収する機会となりました。その積み重ねによって自分が目指したい診療スタイルが少しずつ固まっていきました。
 また、スーパーバイザーと疾患別のケースバイザーが決まっているため相談しやすい環境にありましたし、沢山のスタッフとコミュニケーションをとるきっかけとなりました。
 広島大学病院は志の高い療法士が沢山います。良い刺激を貰える環境だと思います。私にとってこの2年間は、患者さんからもスタッフからも信頼される療法士になる為に、より一層頑張ろうと奮い立たせてもらえた時間となりました。

   2016年度修了 

私が行った研修は、年度を通してマンツーマンでの指導をしていただくスーパーバイザーと、疾患別で指導をしていただくケースバイザーがついた形での研修でした。その形式で整形外科疾患をはじめ中枢神経疾患、呼吸器疾患、消化器疾患、ICUに入室するような重症例まで幅広く経験することができました。

広い分野での研修でしたが、各分野でマンツーマンの指導を受けられたことで、専門性の高い知識や臨床技術の成長に繋がったと感じます。加えて、学習内容のアウトプット、症例検討、学術活動への参加、院内・院外セミナーなどを通して得た知識・技術も強く印象に残っています。そういった刺激もあり、学習への意欲をより高めるきっかけとなりました。

研修を終えて2年経った今では、研修中に築いたものが基礎となって様々な選択肢が広がり、ステップアップに繋がっていると感じています。今後も進路を見定めながら、自身の理想とする理学療法士に近づくために研鑽を続ける所存です。

集中治療病棟理学療法研修生 フェロー

   2013年度修了

研修制度に参加することができて本当に良かったです。
 私は卒後4年目で集中治療病棟理学療法研修に参加させていただきました。研修当初は特に、重症な患者さんを目の前にして戸惑うばかりでした。毎朝のカンファレンスや指導者の先生方とペアで患者さんを担当させていただく中で、情報収集のポイントや病態に応じたプログラムの選択、多職種連携など数えきれない程多くのことを教えていただきました。段階的に経験を積めるよう配慮していただいたおかげで、徐々にできることが増えていくことを実感できました。

また、多職種の業務見学の機会もいただきました。多職種の役割を理解することを通じて、理学療法士の役割が明確になったと感じています。

現在は地元の高度急性期の病院に勤務しています。日々学ぶことばかりですが、研修での経験が大きな力になっています。「学問は、最高の遊びである。」というキャッチコピーを胸に、今後も研鑽を続けて参ります。

循環器理学療法研修生 フェロー

   2019年度修了

私は、研修に来る前、3次救急病院で4年間勤務し、急性期循環器疾患の方も担当する経験もありましたが、実際に患者さんを担当すると教科書に記載されていることと臨床での内容が結びつかず恐怖心もあり運動療法はほとんど実施できていませんでした。その経験があり本研修制度に応募しました。

実際の研修では、循環器疾患の基本的な考え方や臨床でのアセスメント・運動療法・多職種での介入方法・入院中だけでなく退院後の生活を通しての関り方など非常に沢山の事を教えていただきました。研修では実際に患者さんを通し、OJTで指導していただき分からないことが分からないままになることがなく経験をつむことができました。目の前の患者さんの臨床像と教科書的な内容が結びつき、必要なリスク管理を実践しながら循環器疾患患者を診療することができるようになったと思います。研修中に学会発表する経験もえることができ充実した研修でした。この研修を通して心不全パンデミックが予想される今後の社会において、自宅での生活も考え理学療法を行う重要性を感じました。この経験を今後の臨床生活でも活かしていきたいと思っています。

   2016年度修了

研修前は長野県にある回復期リハビリテーション病院に従事していました。私がこの研修を受けようと考えたきっかけは、心不全により再入院する患者に対して有効な介入方法を知らず無力さを感じたことです。そこで、有効な理学療法を提供するには高度急性期から生活期まで一貫した理学療法を学ぶ必要性があると思い研修を受けることを決意しました。 

研修は循環器内科、心臓血管外科の疾患を担当しました。ICUでの理学療法や外来心リハのマネジメント、多職種で行われる心不全センターカンファレンスを初めて体感した際には、“自分にも出来るのか?”と、強い不安を抱きました。指導を受けながら模倣・実践を繰り返すことにより、少しずつ自信をもって実施することが出来るようになりました。研修期間はあっという間に過ぎてしまいます、指導者との毎月のミーティングは、課題点の抽出や成長した点を客観的に整理する機会となり、来月の研修をどのように過ごせばよいのか自問し、有意義な研修を送るきっかけになりました。

現在は地域の3次救急病院にて循環器疾患だけでなく他疾患のリハビリを実施しています。研修で得た知識と経験を活かして、さらに学びを深めていきたいと考えています。
 
 研修終了後は地域の3次救急病院に勤務をしました。担当は循環器内科疾患に限定することなく全領域の疾患を担当しています。また、外来心リハやCPXの測定・解析にも携わっています。担当患者が多いため工夫をしながら運動療法や患者指導を行い心血管イベントの再発予防に尽力を注いでいます。当院は再入院抑制のため、心不全手帳を用いた包括的介入を導入しました。心不全手帳の運動療法のページの作成は、私が担当しました。心不全手帳導入による結果は、再入院を抑制することが出来ました。研修で学んだ知識が結果として表れたとき本当に嬉しく、やりがいを改めて感じました。

私たちが関わった患者さんが少しでも、住み慣れた場所で元気に長く生活することを手助け出来ている可能性があると考えると、この研修で学んだ経験は何事にも代えがたい事だと感じました。

  • 更新日:2020年8月18日